「ふ、ぐ…!」
勝手に溢れる涙が視界を濡らして歪ませる。
だが、土方は高杉を思い出し、心の中で助けを求めるのと同時に
ここから抜け出してあの幼馴染の元に帰ろうという気持ちが理性を突き動した。
イスに縛られて自由にならない肢体に力を込め、呻きながらももがく。
それが観衆を煽る結果になっているとしても構わなかった。
「あらぁ、そんなに力入れちゃダメ。痕が残るわよ?」
しかし、そんな土方の努力を嘲笑うかのように
身体を撫でまわる男の一人が呟くと、萎えてくにゃくにゃになっている性器に手を伸ばした。
「・・・・ッ!!!」
初めて他人に触れられる感触に、声にならない悲鳴を土方は漏らす。
ゾワリとした嫌悪感に思わず身が縮みこんでしまったが、
男はその肉付きの良い掌で土方自身を包み込み、ゆっくりと上下に扱き出す。
「ひ、ひやう…」
ブンブンと首を横に振りながら、口枷の隙間から拒絶の言葉を吐いた。
しかしその声がどれだけ小さく擦れているものなのか土方自身には分からない。
手が空いているもう一人の男は、先走りすら出てこない乾いた土方の性器に
扱きやすいようにローションをかけ始めた。
ぬめるソレは余計に男の上下する手の動きを加速させ、土方を更に追い詰める。
「は、ふぁ、ああ」
「うふ、ぬるぬるになって良かったわね。緊張してるみたいだから、もっと解してあげるわね」
「ひぁ!!ひぁあ、やぁ!」
ねっとりとした声で囁かれ、このままではいけないと暴れては叫ぶ。
しかし、それもローションをかけてきた男の手によって塞がれてしまった。
「ふうう!」
「可愛い、可愛いわぁ、もっと可愛くなって?」
なんと背後から彼は腕を回して土方の両方の乳首を弄り、更には耳の中に舌を差し入れてレロレロと嘗め回してきたのだ。
「んんんッ」
ローション塗れの肉厚な指の腹が乳首を小刻みに刺激し、鼓膜をぬちゅぬちゅという音に蹂躙される。
更には牡まで良いように弄ばれ、土方は身体の奥底から湧き出て来そうになる快感と必死に戦っていた。
「あ、ふぁ」
「ほらもっと声を出してごらんなさい?」
「ふ、う、うぅ!」
嫌だ。
嫌な筈なのに、乳首を弄られ、性器を扱かれている箇所が段々と熱を持ってくる。
ひくん、ひくんと内股がひくつくのを否定できない。
先程まで力をこめていた手足が段々と弛緩していくのが分かった。
「ほら、かたくなってきたぁ。分かる?」
「ひ、ふぁ」
かたさを増してきた事は自分でも分かっていた。
だが、思わず目を逸らしてしまう。
こんな陵辱をされて勃ってしまうなど信じたくはなかった。
「ほら、ちゃんとよく見ないとダメ!」
だが、途端に背後から顔をつかまれ
己の恥部を目の当たりにするように固定される。
「んぅ、んうぅうう!!」
土方はくぐもった声を出しながらその手を振り払おうとする。
しかしそれを嘲笑うかのように
ぬっち、ぬっちゅと厭らしい音が雄から絶え間なく立てられる。
「ひっ、く」
そしてぬるぬるとしたものが溢れるのを自覚せずにはいられない。
そう。今しがたかけられたローションではなく
己自身のモノから零れるソレを。
「良いねー良いですねー!
皆さーん!
童貞土方君が弄られる音、マイクで拾ってみようと思いまーす」
「!?」
思わず土方は自分の耳を疑った。
だがそれは聞き間違いではなかった事をすぐに思い知る。
実況をしていた者がニヤニヤと笑みを浮かべながら
近寄ってくる。
会場の連中が異様な騒ぎ方をし始め、
それに合わせるかのように土方の体を弄ぶ男達の手も早くなる。
「んん!んんー!!」
土方は意味がないと分かっていながらも
体を捩り、縛られた両足をガタガタと動かした。
しかし顔を固定されてしまっている為、
もう大きな抵抗は出来ない。
くちゅっ
「…!!」
「おおっとぉー可愛い音が出ましたねー
もう少し拾ってみましょうかぁー」
くちゅ くちくちっ ぬちゅ
「あ、あぁ…」
マイクを通した音が、土方の涙腺を破壊した。
悔しさで抑えられてられていた筈の涙が
ぼろぼろとその頬を伝っては流れていく。
「ふっ、うぅ、うぅうう…っ」
ぬちぬち、くちゅ、くちゅ
そんな土方にはお構いなしに、
さも当然かのようにマイクで音は拾い続ける。
広い会場内に響くその音に
人々は発情し始めたのか様子が興奮じみたものになっていく。
泣きじゃくり始め、更に口から唾液を零して
男達に弄られる土方に嗜虐心を覚えたのか
それともマイクで音を拾うのが飽きたのか。
もしくは会場を更に異様なものにする為か。
進行役の男が、土方の前で男に告げる。
「そろそろこの子の前にも後ろにも、
色々突っ込んじゃったらどうですかー?」
何を、と土方が顔を上げれば
支配者の顔をした男と目が合う。
途端、今までやんわりと土方の体に触れていた
手が逃れられないように牡自身を固定する。
そしてそこへ近づく、細長い筒のようなものが視界に入る。
それが先端の穴に宛がわれ
本能的に土方は察した。
今から、この細長いのが尿道に入れられる。
「あ、ぁ…!!」
恐怖に支配され、叫ぼうとする顎を掴まれる。
「良い声出して啼けよ、ガキ」
「あっ、ぁ!いやだ…!!」
バチン、と外される口枷。
直後に言葉の自由が許されたのと同時に、
土方の尿道にぬぷり、と管が挿入された。
「く、くく」
銀八は教え子が蹂躙される様を端の方で見ていた。
不特定多数のイってしまっている連中に
ぼろぼろと涙を流す土方が陵辱されている所を
見られているというこの状況が滑稽で堪らない。
「バーカ、もっと泣けよ土方ァ」
笑いを堪えるように指を噛み、
もう少し泣き喚けば傑作になのにと
眼鏡の奥でその目を細める。
もっと泣け。
もっとぐちゃぐちゃにされろ。
早くその処女アナルと尿道を犯されてしまえば良い。
(それでその後に、俺が最高の屈辱をくれてやるから)