『今の時代はコレぜよ。
護身用に持っときー』
そう言って、久々に地球に寄った坂本辰馬は
銀時に拳銃を置いていった。
彼が来るときはいつもろくでもない事が起こるし
何より、こんな何も感じずに相手を牽制できるモノなど
持ちたくはなかった。
だが。
「へーえ。アイツもたまには良いモン持ってくんじゃん」
本来とは違う用途を思いついた銀時は
黒光りするそのボディを撫でながら
ニヤリと嫌な笑みを浮かべた。
<僕はSで、君はM
vol.2>
ついこの間、愛しい恋人に排泄プレイを仕込ませた。
いやいや言いながらも感じるその姿は
とても美しかった。
そういえば人間は赤ん坊の頃、
肛門から排泄する事に
快感を覚えるのだという話を聞いた事がある。
性衝動よりも、原始的な快感。
それを彼に教えてあげれた事が
銀時には快感だった。
(だって土方君ってば、
我慢させればさせるだけ、辱めれば辱めるだけ
比例して感じてくれるんだもん)
別れてやる。
涙目で彼はそう言った。
震える声で、そう言った。
思い出すだけでゾクゾクする。
そうだ、もっと嫌がれよ。
拒絶する君の壁を一つずつ崩していって
喘ぐ君の服を一枚ずつ剥いでいって
最後に残った君の咥内に
俺の欲望を叩きつけてやる。
その網膜に、消えない残像ってやつをさ。
「あ、土方君に沖田君ー
お仕事ご苦労さん」
見回り中なのか、
総悟と一緒に歩いていた土方と街中で出くわす。
へらっとした顔で銀時が挨拶すると
あからさまにフイッと彼は顔を逸らしてきた。
「こんにちは、旦那。
お散歩中ですかィ?」
「ん。そんな所。
俺の理想に叶いそうな可愛い子にさ」
全身を嘗め回すような視線で土方を見つめる。
彼はこちらを見ようともしないが、
恐らく気付いている筈だ。
「ばったり会えないかな、って」
自分が、視姦されているという事に。
何故なら、銀時の言葉に肩を揺らしたから。
「そうですかィ。で、お好みの娘はいましたかィ?」
「いやーそれが中々いないんだよね」
(そんな、俺を避けようとしても無駄なのに)
隊服を着ていても分かる。
何度も抱いて、可笑しくなるくらい指を這わせて
舐めて、しゃぶって、貪って、犯したのだから。
土方の乳首がどの辺で、きゅっと窪んだヘソがどの位置で
茂った陰毛の向こう側にあるペニスが
今、どうなっているのかも
「あーあー。
”今夜、俺の所に来てくれないかな。
俺の大好きなかわい子ちゃん”」
銀時は、知っていた。
土方は、知っていた。
銀時の全ての言葉は自分に向けられている事を。
今夜、万事屋に来いと暗喩している事も。
それに逆らえない事も、勿論分かっていた。
(畜生…!この間、屈辱的な事をされたばかりだってのに…!)
歯を噛み締めつつも、土方は屯所をこっそりと抜け出して
夜も更けた頃に万事屋へと向かった。
だが、この間と違って銀時と同居している神楽は
今夜は居るのではないかと考えていると
「おっせーんだよ」
上から声をかけられる。
土方が来るのを待っていたのか
万事屋へと続く階段で、彼は待っていた。
あの白銀の瞳に見つめられるだけで
土方の心臓は異様な高鳴りを始める。
「んん、ん…ッ」
乱暴に玄関に押し込まれたかと思えば
背後から抱き締められ
首だけ後ろを無理矢理向かされてキスされる。
早急に舌をねちねちと弄られ
敏感なそこは、きゅう、と下半身に熱をもたらす。
「ふ、ぁ、ちょっと、待っ…!」
「土方くうん、今日はあんまりおっきな声出しちゃやーよ?」
「え・・・?」
「押入れで俺の神楽ちゃんが寝てるから」
「なっ!あ、あぁ!?」
硬くて無機質なモノが
つつっと土方の股間をズボンの上から撫で上げる。
びくん!と無意識に身体が揺れ、
声が漏れてしまう。
「おいおいー大きい声出すなって言ってんだろ。
そんなのも出来ねーの?」
冷たい声が鼓膜に注がれたと思えば。
銀時の掌が徐に土方の胸を掴んで揉んでくる。
「ぎ、銀時、やめ」
大きな声を出すな、という割には
羽交い絞めにしながらも
彼はベストの上から乳首を攻めてくる。
まるで浮き出させるかのように上下に
指の腹で擦ってくるのだ。
土方には無理な話だと
銀時とて承知な筈だ。
「あっ、あ、やめろって、言ってる…!」
「ねぇ、なんで学習しねーの、お前。
馬鹿?
やめろって言われて、俺が一度でもやめた時あった?」
遠慮なくきつい言葉をかけられ、
思わず土方は視線を下に向ける。
そこでクリクリと下半身を弄ってくる物体の正体に気付き
ハッとして目を見開く。
「それとも何?そうやって俺の事煽ってんのかよ?
純情なフリしてやりますね〜副長さーん」
今の土方にはそんな余裕がない事を知っている。
それでも銀時は彼を攻めあげていく。
「いつからそんなヤラしい子になっちゃったんだかねぇ」
「・・・・ッ!!」
ズボンの上からグリグリと刺激させていただけのものを
今度は股の下に潜らせてクンッと突き上げた。
土方が声にならない息を漏らすのを
満足そうな笑みを浮かべて、舌なめずりをする。
「てっめ…拳銃なんざ何処で手に入れやがった…っ
銃刀法違反でしょっぴくぞ、てめぇ…!」
「どーぞ?
そんな事したら、刑務所内で
天下の真選組の鬼の副長サンが
スカトロプレイでひゃんひゃん言ってた事
言いふらしてやるからー」
「なっ!」
「あぁ、それも楽しいかもなぁ?
ブタ箱にブチ込まれた野郎共がさぁ
土方君のエロい姿妄想して、興奮しちゃったりとか…」
「や、めろ…!」
自分の痴態を他人に想像されるのが嫌なのか、
声を押し殺して土方が制止を言葉にする。
自分の有利を悟った銀時は、
背後から手を伸ばし
躊躇なく相手の首元のスカーフを解く。
「安心して、護身用だし。
あ、そうだ…どうせだから正しい使い方教えてよ」
「んん…!」
「”コレ”のさぁ?」
ベストの前を開ければ、現れる真白のカッターシャツ。
そのボタンを片手で引っぺがして
もう片方の手は拳銃を土方の咥内に突っ込ませた。
「ぅ、ぁ」
「銃口舐めろや。
中まで舌挿し入れてね?」
抵抗は諦めたのか、
大人しく土方はぴちゃぴちゃと音を立てて
銃を舐め始める。
今、神楽が起きてきたらどんだけ楽しいだろう、
と思い描きながら銀時は
次に彼のベルトへと焦点をずらす。
「ふ・・・」
ベルトの支えを失い、
ズボンがスルリと脱げて玄関の床へと落ちた。
凶器を口に入れられているからか、
それとも下半身が外気に触れたからか分からないが
土方の脚が微かにカタカタと震えている。
だが、これくらいの辱めでは
きっと足りないだろう―…
勝手にそう判断し、舐めさせていた銃を咥内から引き抜く。
「はぁ、あ…ひゃ、あ!」
抜き去られたのに安心したのか、
一息ついた土方の胸の突起をつねる。
「痛ッ、あ」
「土方君、そこに膝ついて?」
言葉では強請っているも、
強制的に土方を膝立ちにさせて
両手首を背中で交差させ、スカーフで縛る。
「この体勢崩したら、ペナルティね」
「ふざ、けんな。無理だ…!」
訴えも無視して下着を下ろした。
露出されたのは形の良い臀部。
叩きまくるにはボリュームが少し足りないが
それでも満足させてくれるのには代わりない。
アナルのシワを伸ばすように指を這わすと
ビクンッと土方は肩を揺らした。
「ぎん、時。まさかソレ、挿れるんじゃ」
「へぇーそういうのには勘がいいんだね。
銃の使い方は教えてくれねーくせに」
「だってそれはテメーが…いアっ!?」
ローションはナシ。
土方に銃口を舐めさせた唾液だけを頼りに
銀時は柔らかい肉の中に
ずんっと拳銃を突き入れた。
あ、く、ぁあああ」
「大丈夫、切れてないから。
もーちょっと力抜いて?」
「・・・・!!」
剥き出しになっている土方のモノを
扱いたりしてやれば
少しは力が抜ける事を勿論知っていた。
だが、銀時はソレをしない。
本来の気持ち良さよりも、
羞恥の中で快感を与えてやりたいからだ。
「ほら、半分も入ってないぜ?
終わんねーよ?」
「う、くぅ、」
声に涙が混じりこんできている。
それでも土方は懸命に深呼吸を繰り返して
己に入り込んでくる異物を呑み込もうとする。
ほんっと、馬鹿だね!
心の中で銀時は爆笑した。
そうやってこちらを喜ばせている事を
土方は勿論知らないだろう。
だから可愛い。
ゆえに愛しい。
この先も彼を愛していけるかわからない。
だから、全力をもって愛する。
これ常識でしょ?
だって上半身はちゃんと隊服着てるのに
下半身がすっぽんぽんてどうよ?
マジ笑える。ホント可愛い。
彼の前では、人を殺せる凶器も
ただの性の玩具へと成り下がるのだ。
「うぅ…苦し、…」
「あーやっと全部入ったね、土方君。
良い子良い子」
前回同様、子どもをあやす仕草で
よしよしと声をかける。
だが、既に次には惨酷な台詞をはいていた。
「ね、動かしていい?」
「い…やだ…無理」
さすがに恐怖を感じるのか
土方はフルフルと声を震わせて首を横に動かす。
「なんで?大丈夫、土方君なら出来るって」
「む、り、無理だ、こんな太いの…!」
「へー。そういう事言うの」
選択肢を与えておいて
土方には選ばせないスタンス。
『太いの』という言葉は銀時にとっては
ポイントが高かったが
それでも彼を許してはやらなかった。
「神楽ちゃーん、ただいまぁ〜
銀さん、喉渇いたから水持ってきてくんねー?」
これ見よがしに、銀時は大声で
家の奥の押入れで寝ている神楽を呼ぶ。
正気か、と焦った表情で土方が振り向いてきたが
勿論気になんてしない。