「土方さん、動かねェで下さいよ。
上手く拭けないじゃないですかィ」
「ふ、拭くったってお前、ぁ、う」
引っくり返した湯呑みの茶は、思ったよりも染み込みガ多く
隊服のズボンを通り抜けてすぐに下着にまで到達する。
ぬるい中身だった為、ひやりとして中々に気持ち悪い感触。Mvr> だが、それよりも総悟が
入念に拭いてこようとしてる方が土方には問題だった。
「そ、うご、ンっ、自分で拭くから、もうイイ…!」
「良くないでしょう、
アンタ放っといたらそのまんま乾くまで放置しそうですし」
「しねェ、しない、か、ら、」
「そんな事言って…
これで風邪でもひいたらどうするつもりでさァ」
言いながら、続行する総悟の手をなんとか止めようとするも、
ビクビクと感じてしまう土方の内股と掌に力が入らない。
それを良い事に、総悟は舌なめずりしながら
彼の敏感な部分を撫で続ける。
その指の仕草は、最早拭いてやる動きではなかった。
「あッも、ダメだって、やめろ…」
「なんで?感じちゃったからですかィ?」
耳元に口を寄せて囁いてやると、土方の顔が一気に真っ赤になる。
そんな小刻みにいやいやと首を振って震える土方と、
それを上手く攻め続ける総悟。
二人の動向を見守る撮影スタッフ達の喉から
ゴクリと唾を飲む音。
「(副長…!ダメっすよ、そんな淫らな声を出したら…!)」
二人が演技だと思い込んでるスタッフと
松平、近藤と一緒にいる中、
唯一山崎だけは違う妄想にふけっていた。
最も、ポケットの中に入れておいた
隠密用の録音用機具のスイッチは
ばっちり入れておいてあったが。
「あーコイツはダメでさァ。
これ以上拭き取れそうにないですぜィ」
「…そ、そうかよ。じゃあもうどけ」
荒くなってきた息をなんとか整えながら、土方は応える。
そんな彼の前で総悟は立ち上がると、
現場監督の松平に目配せをして見せた。
「はい、立て土方コノヤロー。浴場行きましょうや」
なんといっても、この撮影のメインは
風呂場で行わなければいけないのである。
不自然のないように土方を誘導する為に総悟は言った。
が、そんな現場事情を知らない土方は総悟を見上げつつも、
大量のクエスチョンマークを頭に浮かべる。
「あーもう立てないんですかィ?仕方ねーお人でさァ」
「な、うわ!?」
戸惑う土方をヒョイと抱き上げる総悟。
突然の行動に思わずしがみつく土方。
そんな二人を微笑ましそうに眺めながら
撮影スタッフも移動の準備を開始する。
「お、降ろせ…ッ」
「そんな事言わずに大人しくしててくだせェ」
言いながら軽々と土方を抱き上げたまま総悟は
足で障子を開けると、テクテクと廊下を歩いて
屯所の集合浴場へと向かう。
「いっ、いい、降ろせって言ってんだろ!?」
「なーに言ってんでさァ。
股間濡れて気持ち悪いでしょう?
俺の優しさに甘えるべきだと思うんですけどね、土方さん」
総悟は色素が薄く華奢なので儚く見えるが、意外と力が強い。
なにせ寺門通の一日局長キャンペーンの時
隙を付いたとは言え土方を
『海老の真似!』と言って持ち上げて攻撃した男である。
伊達に一番隊隊長…
もとい、サディスティック星の王子ではない。
「う、うう…畜生…
(でも、浴場に行ったらすっ裸が待ってんじゃねぇか…ッ)」
いよいよ恐れていた事態が、土方に迫る。
そりゃあこんな男ばかりの屯所住まいだ。
大勢の男の前で風呂に入るのなんて日常茶飯事だが、
だからといってその場面
(しかも総悟に犯される所)を
カメラに収められるのなんてワケが違う。
引き受けたものの、今すぐ逃げ出したい衝動に駆られた。
こんなの体の良いハメ撮りじゃねェかよ…ッ
「さ、脱ぎましょーね」
そうこう考えてる間に脱衣所に着いてしまう。
そして濡れているのは下半身なのに、
何故か襟元のスカーフを解いてくる総悟に
土方はギョッとした。
「おい総悟、なんでスカーフ!?
濡れたのは下なんだから別に上は…」
「なーに言ってんでさァ、
どうせだから全部脱いじゃいましょうぜィ」
「はぁ!?」
そうこうしている間に、
手際よく隊服を脱がされて
あっという間に土方は下着一枚になってしまう。
引き締まった程よく筋肉のついた
しなやかな土方の身体。
普段、鬼の副長と恐れられている彼の裸に、
思わず撮影スタッフ達は息を呑む。
「…総、悟。やっぱり下着も脱がねぇとダメ…か?」
そんな周りの視線など気付かない土方は、
チラリと総悟の表情を伺う。
そんな彼には勿論抜群の天使スマイルと
『当たり前でさァ』という返事。
「だって、下着が濡れてるのに脱がなきゃ意味ないでしょう」
「そりゃ、そうだけ、ど」
不自然のないように両手で股間を隠しながら、
うう、と土方は俯く。
先程の執拗な総悟の拭き拭き攻撃で若干、
土方自身が反応して芯を持ち始めてしまったのだ。
そんな彼の事など何処吹く風。
総悟は器用に土方の濡れた下着を奪い取る。
「あ…ッ、馬鹿…!!」
「あーれぇ?土方さんてば、反応ちゃってますねィ♪」
「んぁ…」
とうとう露わにされた土方の局部。
(ここでカメラがズームインされたのを勿論土方はらない。
ちなみに思わず叫んで
カメラを取り出しそうになる山崎を抑えたのは松平)
そこをピンッと総悟が弾くとぷるんと小刻みに震えた。
「ささ、風呂場に行きましょうぜィ」
「!?なんで…着替えるだけじゃ…?」
「俺がスペシャルサービスで濡れちゃって
反応しちゃってビンビンな土方さんのアソコを
ゴシゴシ綺麗に洗ってあげまさァ」
「び、ビンビンとか、人聞き悪い言い方すんじゃねえ!」
「はいはい、行きますぜィ、と」
かくしてこの後の展開が、
土方十四郎史上最大の羞恥プレイになると言う事は
今の彼には知る由もなかったのです(山崎ナレーション)
カラカラと脱衣室から風呂場へ通じる扉を開け、
総悟は有無を言わさず土方を無理矢理中へと押し込む。
それに続いていく撮影スタッフ達
勿論、カメラのレンズは曇り防止がされている
「ささ、座ってくだせィ土方さん」
「・・・」
普段なら絶対にしないような
総悟の気配りが逆に気持ち悪い。
むしろ、毎日使っている筈の浴場が全く違う場所に見えた。
とりあえず用意された風呂椅子に座る。
「あう…ッ」
座っただけなのに、自身が反応を示して声が漏れてしまう。
思わず内股になってタオルで隠すが、
その下では性器がズキズキと痛い程、勃ち始めていた。
可笑しい、確かに拭かれたけど、反応しすぎだろ…!?
『副長、沖田隊長から渡されたものはヤバいですって。
絶対何か入ってますよ』
撮影が始まる前、総悟に渡されたお茶を見て
山崎がそう言ったのを思い出した。
…いや、ナイナイ、それはない。
大体、別に飲んだワケじゃなくて、零しただけだし…
「もー土方さん、
こんなタオルで隠してる場合じゃないでしょう」
「ひぁああ!?」
考え事をしていた土方の背後から
スルリと総悟の手が伸び、
股間を隠していたタオルを奪い去る。
その拍子に擦れた為に、あられもない声を発してしまった。
響き渡る自分の嬌声に羞恥を感じ、思わず口を抑える。
「あ…あっ」
「クス、土方さーん。
アンタ随分と恥ずかしいお人だねェ?
こんなんで感じまくってんですかィ?」
笑いながら総悟は土方の陰毛に指を巻きつけ、
クルクルと遊ぶ。
その様子が目の前の鏡に
バッチリと映し出されており、
あまりの恥ずかしさに土方は目を逸らした。
「目ェ逸らさないでくだせェよ…ホラ、
何処にお茶零したか確認しなきゃ」
「う…そんなの、確認しなくたって…」
「残念ながら、俺には分かりませんでさァ。
ここの毛が邪魔で…」
言って、総悟が何処からか取り出したのは剃刀。
その物体に土方はギョッとする。