(愛なんていらねェ。身体さえ繋がれば、それいいでしょ?
ねぇそうでしょう近藤さん。
だから、俺と土方さんに好きだとか、そういう感情は必要ないんでさァ

なのに気にいらねェこの感情は何だ。)



ドSな事情.



「嘘?」


貫くような目で総悟が繰り返してくるが、めげずに俺は睨みかえした。
山崎まで巻き込んで嘘をつくたァ、どういう神経してんだ。


「なにが嘘なんでィ?」

「お前が俺の所に山崎を行かせたっていう事だよ。
アイツは俺が心配だから、来てくれたんだ」

「ハッ!アンタが心配で?山崎の野郎が?」



俺の言葉に瞳を丸くさせるとさも可笑しいというように総悟は笑った。


「…何が可笑しい」

「そりゃあ可笑しいでさァ。
アンタまんまと山崎に騙されたんですぜィ?」

「違う!アイツ本人がそう言ったんだ…!」

「じゃあ根拠は?
騙されてないって、アイツが土方さんに嘘ついてないって
言える根拠はなんでさァ?」

「それ…は…」


突きつけられる言葉に眩暈がしそうだ。
本当に、総悟に言われて俺の所へやって来て、心配するフリをした山崎に騙されたんだろうか?
甘い言葉に酔わされて身体を求めてしまったのだろうか?キスも許した?

…でも。


『逃げます。少しの間でも立てますか』

でも、アイツは。


「俺の事を…好きだと言ってくれたから…」



思ったよりもその言葉を口にするのは恥ずかしく、なんだか自意識過剰な発言にも思えて語尾が小さくなって尻すぼみになる。


「へ〜え?そうですかィ」


暫く沈黙が続いた後、口を開いた総悟はそう言うとトコトコと自分の席へと歩いていき、鞄の中を探る。
また何か妙な玩具でも出してくるのかと背中に冷や汗が伝った。
しかし、彼が取り出したのは見覚えがあるモノ。


「土方さんは好きって言われたら、誰にでも脚開く淫乱なんですねェ」

「あ・・・!」


ブランと総悟の指に摘まれてブランとぶら下がって見せ付けられるソレに俺は声を上げた。
すっかり存在を忘れていた、俺の体内にある筈のローター。
そういえば、いつ俺のナカからなくなったんだ。
大体、どうしてアレが総悟の手に。


「アンタに昨日、涙目で
『俺に近づくな、他に男ならいっぱいいるだろ』
って言われたからねェ。
俺もちょいと反省して今日は抱かないようにしてやっか、と考えたんでさァ…」


呆然と立ち尽くす俺に総悟はペラペラと喋りながら、ローターのスイッチの繋ぎ目の部分に親指を立て、グッと力を入れた。
するとパカッと開くソレ。


「コレ仕組んで土方さんの喘ぎ声聞いて満足しようと思ったんですが、
余計な声も混じってたんですぜィ、これがまた」

「なんだ…?」


機械関係は詳しくないからよく分からない。
開かれたその中身は配線が複雑に絡み合っていて、それを総悟は見せ付けてくる。


「盗聴器、ですぜィ」


そう言って笑うから背筋にゾクンと戦慄が走る。
ローターに盗聴器って…だってそうしたら、俺が自慰していた声や山崎に抱かれた音とか会話が、全部。


「録音タイプですからリアルタイムでは聞けないのが難点なんですけどねェ、さっき日誌書きながら聞いてたら、土方さん以外の声が聞こえてくるから驚きでさァ」


一気に、今までの事が全身に圧し掛かってきて鳥肌がたった。
俺の行動は全て総悟に握られていたとでも言うのだろうか…?



「山崎」


今度は机の上に座って足を組み、総悟は俺に微笑みかけながら呟いた。
その名に心臓が鳴る。


「ですよねェ?これ。
アンタ、俺と性感が繋がってるってご存知の上でこういう事するんですかィ」


怖い、怖い、怖い。ひたすらに総悟が怖い。
出方が分からないから余計に恐ろしい。


「ねェ土方さん」


言い、総悟はパタンと日誌を閉じる。
何か言おうと思うのに恐ろしさで何も言葉にならない。



「俺、すげェ独占欲が強いからこういうの許せなくて…
色々考えたんですぜィ?んで、一番アンタ達に思い知らせるには、
全校にコレ流しちゃおうかなァ、みたいな」

「な、流すって…」

「勿論、土方さんと山崎がヤってる音声。
想像するだけでゾクゾクしません?
朝に流れる音楽の代わりに、このテープ流したら…」

「やめろ…ッ!」


冷えていた全身が、一気に熱くなるのを感じた。
凍り付いていた足は真っ先に総悟の方へと向かい、見せびらかされたローターのスイッチを奪う為に手を伸ばす。
だが、大して力のこもらない俺の腕はそのまま総悟に取られて捻られてしまう。


「あ…!」

「やめろ?誰に向かって言ってるんでィ、この淫乱副長様が」


そして乱暴に学ランの襟元のホックや前ボタンが外され、中に着ていたシャツも手をかけられてボタンが弾け飛んだ。


「何すんだ…っ」

「土方さん、さっき山崎に身体開いたのは好きって言われたから、
みたいな言い訳してくれましたよね。
でも本当はアンタにそんなの関係ねーんでさァ」


床に押さえつけられ、背中に鈍い痛みが走る。
そんな俺に馬乗りになった総悟は喋りながらズボンのベルトやチャックを外してきた。


「やめ、やめろ総悟ッ!!」

「アイだとか好きだとか関係ない。
求められたら脚開く。ドM故のあんたの性分ですぜィ」

「違う…!」

「違くねーよ、そういう身体に俺が躾けたんですから」


ペロリと舌を出して総悟は惨酷にそう告げた。
性奴隷扱いの言葉に
ブワッと涙が滲みそうになるのを懸命に堪える。


「今から証明してやりまさァ。
気持ちがなくても土方さんはセックス出来ちゃうコト」


総悟の言っている事があまりにも理解不能すぎて、
やはり思考回路が止まってメチャクチャになる。

何を言ってる?気持ちがなくても俺はヤれてしまうだと?

そんな事を考えている間に、総悟はパチンとケータイを開いた。
てっきり写メでも撮られるのかと思って身構えたが、いじり出したからどうやら違うようだ。


「あ、もしもし?北大路さん?そうそう、俺でさァ、沖田」

しかも悠長に電話すら始め、しかも内容から察するにその相手は北大路。
俺達風紀委員に何かとイチャモンつけて、なんか柳生四天王とか騒がれてる4人組の一角を担う一人だ。

マヨラーの俺に対するヤツは生粋のケチャラーで、それにつけても文句を言ってくる男だが…ソイツとなんで今、総悟は電話をする?


「え?はいはい、ちゃんと土方さんいますって。
ああ、南戸も居るんですかィ。全然構わないと思いますぜィ」


話しながら、俺に向かって歪んだ笑顔を向けながら総悟が見下ろしてくる。
恐怖を感じて全身が危険信号を脳に送ってくる。
直感だ。早くここから逃げないと、危険だ、という。


「やだ、もうどけ、どけや総悟っ!」

「ええ、Z組で。俺と土方さんしかいないんで。宜しくお願いしやす」

「総悟ッ!!」


叫んで名前を呼んだ途端、総悟はブッと電話の電源を切って折りたたむ。
あからさまに俺を見下して、嘲笑う態度にコイツの思惑がなんとなく想像出来る。
きっと総悟は俺と北大路をヤらせて、それを見て惨めな俺の姿を笑うつもりなのだ。


「や…だ…」


弱弱しく首を振ってなんとか逃れようとした瞬間、ガラッと教室の扉が開けられる。
視線を向ければ眼鏡を光らせる北大路と、その後ろから仲間である南戸が入ってきた。


「あ〜南戸。教室の鍵、内側から閉めちゃってくれィ。
鍵は俺が持ってるから、外からはマスターキーがなけりゃ開けられないようにしときたいんで」

「ヘイヘイ。でも沖田よォ、俺使わせるなんて高くつくぜぇ?」

「黙って閉めろ、全身男性器」

「北大路!?だから俺のどの辺が男性器!?」


押し倒されている俺の頭上で総悟、北大路、そして南戸が会話を交わす。
3人の話に入れないで居ると、
かかとを踏んで上履きを履いた南戸がペタリと俺に近づいてきた。


「すげー。本当に鬼の風紀委員副長様、じゃねーの」


しゃらん、とネックレスを鳴らしてしゃがみ込んでくる相手に対し、俺は屈せずに答える。


「…南戸ォ、てめぇいっつもアクセサリーは禁止だって注意してるだろーが…」

「相変わらず強気だねェ。でもあんた、今の自分の状況分かってる?」


下卑た笑みを見せて南戸は言った。


「あれ?それとも分かってない?」

「南戸。一々言葉で説明せずとも、これから嫌でも分かるだろうさ」

「ハハッ言えてらァ、北大路さん。じゃっ、俺ァやる事あるんで」


そう言って総悟は俺の上に馬乗りになっていた身体をどかそうとする。
すかさずアイツの腕を掴んで引き止めた。



「ん?何でィ?土方さん」



余裕の表情の総悟。悔しさが胸のうちに込み上げる。



「総悟。今すぐやめさせろ」

「えぇ?どうしてでですかィ」


クスクス笑い、掴んだ俺の手を逆に握り返し、なだめるような態度でヨシヨシと撫でてくる。
そして耳元に口を寄せてきた。


「俺、土方さんに選択肢をあげた筈ですぜィ?
優しいですよねェ?
近藤さん、山崎と一緒に帰るのを選ぶか」


それとも、俺の所へ戻ってくるか。


土方さんは心配してくれた近藤さんの言った通り
『好きだ』って言ってくれた山崎と帰らず、わざわざ此処へ戻ってきた。
この状況を選んだのは誰でもない、アンタなんでさァ

それだけ言うと、満足げに総悟は離れると立ち上がる。
俺といえば、目を見開いて、言い返す事も、起き上がる事も、…どうする事も出来なかった。

もう、何を信じて良いのか分からなくなってきた。


「まだ黒板、綺麗にしてなかったんでねィ、面倒くせーな、全く」


そう言って総悟は、俺になど興味が無くなったかのように
スタスタと黒板の方へ歩いていく。
その後ろ姿を無意識に目で追っていた俺の顔を掴んだのは、北大路。
切れ長の両目が眼鏡の奥から俺を見る。


「まさか、貴様をこんな屈辱的な状況に追いやる事が出来る日が
来るとは思わなかったな」

「ハッ…そいつはどーも…」


本当は唾でも吐いてやりたかったが、その気力すら残っていない事に気づいた。
当たり前か、今日は朝からずっと性感帯刺激されてたしな…。
何処か他人事のように考えていた所、突然現実に引き戻される。


「う…ッ」

「はは、すげーなこりゃァ。
首筋とか胸、キスマークだらけじゃねーか。愛されてんね。
全部男につけられたんかい?」



相変わらずニタニタしながら笑う南戸は、俺の胸の突起を摘んで言う。
更にその手が胸元や腹を這いずり回るからたまったものではない。



「いや、だッ!やめろぉ…ッ」

「やめちゃっていいの?超感じまくってるよ、ふくちょーサン」

「やう!」


ピンッと性器を指で弾かれ、とんでもない声が出てしまう。
可笑しい。身体が熱くなっていく。
なんでだ。なんで。


「おっとォ、早速反応してきたねェ〜」


下着の上からでも分かるくらい俺のモノは反応していた。
そんな筈がない、と否定するように首を振っても無駄で。

しかも弾くだけならまだしも、下着の上から南戸は俺の性器を扱いてくる。
先走りした液のせいでぬるぬるした感じが布と擦れて変な気分になり。

なんとか少しでももがいて阻止しようと手を伸ばすと、
その肩を掴まれて床に押さえつけられてしまった。



「やめろ、離せ!!」

「はっは〜ん、俺が放せって言われて素直に放すと思ってんの?
今までで、一度でも俺がアンタに注意されてアクセサリーとか外した事あった?」

「く…!」


睨みつけても、南戸は馬鹿にするように笑って見下ろしてくるから
全く利いてないのは分かっている。
それでも抵抗をしようと脚を動かすと、今度は足首すら北大路に掴まれてしまう。


「あーあ。しゃぶってもらおーかと思ったけど、
先に北大路ヤっちゃって黙らせてくんね?
こんな元気一杯のヤツ、俺ヤる気しねーわ」

「意外な事もあるものだな。全身男性器のくせに」

「てめェいい加減にしろよ、だから俺の何処が男性器!?」


会話をしている最中でも、北大路と南戸が俺の身体を掴む力が揺るがない。
さすがはあの柳生四天王と謳われるだけはあるな…。
なんとか二人の隙を伺っていると、突如北大路が俺のズボンに手をかける。



「や…!」

「ほう、鬼の副長殿は随分と可愛らしい声をあげてくれるな」

「じょ、上等だ、俺にこんな事してただですむと…ああっ!!」



すぐ後に下着も脱がされ、露わにされる俺の性器と臀部。
ふるふると脈立つ俺自身が、まるで自分のものじゃないかのように興奮しているのが視界に入る。

更に、ズボンと下着を俺の足首の辺りにかけたまま、上靴だけ脱がして北大路は腰を浮かせてくる。
所謂、まんぐり返し状態。

羞恥心で一気に顔が熱くなった。



「やめろ!おろせ、この…!ひあッ」

「風紀委員、この生意気な口はいかがしたものだ?」


フッと俺の性器に息を吹きかけ、黒板を拭いている途中の総悟に北大路は訊く。
本当に僅かな望みをかけて、俺は総悟に視線を向けた。


「すいやせんねェ。
もしアレでしたら、そこにあるローターで土方さんの、
縛っちゃってくだせィ。そしたら少しは大人しくなりまさァ。多分」


振り向いた総悟は俺の希望を全て砕くような事をケロリとした表情で言ってきた。
何ていった?ローターで俺の…?


「すました顔をして、結構酷な事を言うな」

「マジだな〜俺、イけないのとか無理だし」


総悟の発言に対して北大路と南戸が口々に言う。

イけないってまさか。

気づいた時には、既にローターを掴んだ北大路が俺の性器に近づけていて。


「男に犯され、達せない屈辱に泣け。土方十四郎」

「あ…あっやめ、ろぉ…!」


頭を上げ始めた俺自身。
そこにローターを当てると根元にコードをグルグル巻きにして密着させる。
止めようと暴れても、南戸に肩を押さえられているから大した抵抗は出来なくて。


「や、ぁ…痛ぇ…ッ」

「それは痛いだろうな。簡単には達せないようにキツく縛らせてもらった」

「くそ…!」

妖しく光る北大路の眼鏡。
恐怖を感じながら睨みつけるも、俺の頭の上で南戸が余計な事を口走った。

「あ、北大路。そのローターのスイッチ入れると楽しそうじゃね?」

「!」

サアアと熱くなった身体から血の気が引いていく。
イけなくなった上に、ローターのスイッチなど入れられてしまったら…!

「やめ、や、ひぁああああッ!!」

しかし、間を入れずに北大路はローターのスイッチを入れた。
直接性器に伝わる振動が全身を駆け抜ける。


「ひぐ、やだ、いやだぁ…っあ!」

「ひゃ〜すげぇ善がりまくりじゃんか」

快感にのたうち回る俺の身体を床に押さえつけ、南戸が舌なめずりをしながら言った。
痛みと酷いくらいの気持ちよさに気が遠くなる。
このまま意識を飛ばしてしまいたい―…
そう思った矢先に、アナルが左右に開かれる感覚に目を見開いた。


「いあ、ああ!」

トロトロと流れ出てくる精液は、先程科学準備室で山崎が放ったもの。
それすら見られるのも恥辱としか思えない。


「くぁ…ッ」

「見てみろ南戸。既に他の男に抱かれた痕跡があるぞ」

「ふ…やめ、指、回すなァ…!」


くちゅくちゅっと音を立てて、入り口の部分を掻きまわして来る。
恐らく、北大路が指で精液と一緒にこねくり回しているのだろう。

「本当だ。何、ヤったのおたく?」

ケラケラ笑いながら南戸が総悟に問う。
その答えをなんとなく聞きたくなくて、俺は意味も無く目をつぶる。


「違いまさァ。でも土方さんてば淫乱なんで、色んな男のチンコ銜えちまうんでねェ。
俺も把握しきれてねぇもんで」


それでも聞こえてしまう総悟の言葉。何故か目尻に涙が溜まる。


「あっそ。なんか無理矢理ヤんの可哀相かなーとか思ってたけど、
別にそういう罪悪感、いらなさそうだねェ」

南戸がそう言った後、シュルッと音がする。
何事かと目を開くと制服のズボンからベルトを抜き取った音のようだ。
そのまま彼は俺の両手を取ると頭の上で一つに縛りあげる。


「しゃぶってもらうのはまだ無理そーだから、
ふくちょーサンの手で扱いて貰おうかな」

「ふざけんな、誰が…あァッ!!」


そうこうしている間に、俺の内部を弄っていた北大路の指が折り曲がり、
前立腺を的確に擦ってくる。溜まらず声を上げてしまい。


「そうか、此処か…」

「あっ、ゃだ!こするな、んぁう…!」

「はいはい、善がってる間に抜かせてくれよォ」


そして縛られた掌に当てられる南戸の性器。ぬめった感覚に悪寒を感じる。

視界に入らないから分からないが、握らされたコイツのはやけに太い。
それを擦り付けられてきて、掌でも感じてしまっている自分に恐ろしささえ感じた。
指や肌が、全て性器に触れられているのと同じくらいの感度になってしまったのかと、錯覚してしまうくらい。


「は…ッ、ぅああ…」

ちゅく、ちゅくと北大路の指でこねくり回される音が、妙に俺の感性を刺激する。


「ふ、大分大人しくなってきたな…」

「やぅ、んんッ」


だらしなく口を開けて感じるままに声をだしている自分がいた。
前立腺を刺激され、自身にはローターも当てられているというのにイけない。
感じまくっているのに放てないもどかしさに、朧気になっていく意識。


「あ、ちくしょ…ッ」



いつの間にか、足にかかっていた筈のズボンと下着は取り去られていた。
俺の身体に残っているのはソックスとワイシャツのみで。


「へへ、なんか靴下だけ残ってるとか、マニアックなプレイみてーなだァ北大路」


俺の手を使って自身を扱いている南戸は、少しだけ余裕を失くした声で言う。

「ふん、男を犯している時点でマニアックだろう」

「あっ!」

弄っていた指が抜かれ、自然と漏れてしまう声。
両手で口を覆いたくても縛られている為にそれは出来なくて。
悔しさで滲んだ視界に、北大路が取り出したモノが映って我を失った。
あまりにも長いのだ。あんなので突かれたらきっと壊れてしまう。


「や、いやだぁ!」

足をなんとか動かして北大路から退こうと俺は必死になる。
退いてもすぐに南戸が居るというのに。


「あらら、なんかいきなり元気が戻っちまったねェ」

「くそ、もうやめろ!俺にそんなんイれたら只じゃすまさねーぞ!」

「ちっ…抑えろ、南戸」

「へぇへぇ」

「ああアッ」

思いっきり乳首を捻られ、加わった刺激に喘いで背中がしなる。
その隙をついた北大路は俺の腰を掴んできた。

「犬は従順でこそ可愛がり甲斐があるものだよ、副長さん。いい加減学びたまえ」

「や、やだぁ!総悟…!」

今は理性を保てているものの、このまま犯されたらどうなるか分からない。
こんな奴らの目の前で自ら腰を振ってしまうかもしれない。
犯されて感じるなんて、嫌だ…!

北大路の性器の先端が、精液のぬめりを使って侵入してくる。
縋るように俺は総悟を探した。
彼といえば黒板を拭き終わったのか、
少し離れた所で、机の上に足を組んで座っていた。

その顔は、慈愛に満ちたような微笑みで。


「総悟…」

「天国みたいな地獄、ミさせて貰いなせェ、土方さん」


総悟を選んだ、という俺に彼は裁きの宣告を下した。

「ぁう!」

ズン、と一気に北大路のモノが入り込んできた。思わず息を呑む。


「あっ、ああっぁ…!!」

「ハ、すごい締め付けじゃ、ないか土方」

「ひっ、ぁ!」


ズコズコと出し入れを繰り返してくる北大路の動きに、
阿呆のように反応して総悟が見てるのも忘れ、俺は叫んでしまう。
普段は触れないような箇所に北大路の長いモノは達して擦りつけて来る為、
未知なる感覚に思考が真っ白になる。
ぶるぶると己の性器が震えるのだけはリアルに感じ、
痛みと快感にまたもや意識は途切れそうになる。

「や、ぁ…もう…」

「おっとォ、させないぜ」

俺が気を失いかけた事に気づいたのか、
南戸が俺の性器に直で振動するローターのスイッチに手を伸ばし、躊躇いもなく強さを最大にした。

「んやぁあああっ!!」

ビクビクン、と身体は勝手にイき、北大路のモノを余計に締め付ける。
そして射精出来ないもどかしさはつのり、視界は自然に溢れた涙で滲んでいった。
意識を飛ばしかけては現実に引き戻される、が繰り返れる。
余裕が無くなって来た俺達の教室には
ずちゅずちゅという自分でも卑猥だと思える音と、荒い息遣いだけが響いていた。

「あ、南戸」

「あぁ?」

そろそろ達しそうなのか、消え入りそうな北大路の声が聞こえる。
もう抵抗する気力がない俺はされるがままに体を揺すられている時で。

「このままコイツを起き上がらせろ」

「…なん、で」


俺の手だけではなく髪すら使って己自身を扱いてた南戸は怪訝そうに訊いたが、
やがて思い出したかのようにああ、と呟いた。


「二輪挿し?」

「そういう事だ」


飛び交う二人の会話の意味が掴めず、ボーッとしたまま体を小刻みにふるわせていると
押さえつけられていた肩を今度は持ち上げられた。


「ひぁああ!」

突然変わる体位。ぐにゅっという感じ。気持ち悪さに我も忘れて俺は喘ぐ。

「いぁ、あ」

あまりにも酷い体勢に戸惑わずにはいられない。
大きくM字に脚を開いた俺は北大路と向かい合う形になり、座位の体位になって。
今度は見下ろされる形ではなく、真っ向から向けられる相手の視線に耐えられなくなり、目を逸らした。

「やめ、嫌だ、こんな、ぁ」

俺の体重が重力にかかり、アイツのモノが余計に俺を貫き、
より深くなった挿入に思わず泣き言が口から漏れてしまう。
しかし北大路は何も言わずに俺の臀部に指を這わすと、くちっとアナルを拡げてくる。
空気にさらされる感じに息を呑んだ。


「…俺が入ったら、副長サンの穴、キレるんじゃね?」

「慎重にはいれば平気だろう。先程十分慣らした」

「ぁ、や…」

北大路のが入ってる俺の後孔にもう一つ、性器が当てられる気配に身震いが起きた。

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