「ぁ、や、いやだ…ぁ!」
目を見開き、ガクガクと脚を揺らしながらなんとか壁に手をつく事で土方は耐える。
だが、ぷくりとふくれた前立腺に与えられる振動は半端ではなく
艶めいた声とはかけ離れた悲鳴をあげた。
「やぁ、も、無理だ!総悟…!!」
「そうなんですかィ?
でも土方さんのココ、美味しそうにローターを飲み込んでやすが」
総悟は穴の周りをグルリと指で撫でた後、中に入り込んだ玩具をグンっと更に押し上げる。
「くぁ、無理だ、こ、こんな状態のまま、授業なんざ…」
「その点は平気でさァ。前立腺刺激してるだけですから。
土方さんが自分でモノを弄らない限り射精感が溜まるだけで出たりはしやせん」
「で、出るって」
「精子」
「…ッ!!!
てんめぇぇえ死ねやクソが!
調子に乗るのもいい加減に…ひぃ!!?」
ブン、と体内で音がして中で暴れるローターの震えが強くなる。
思わず崩れそうになる身体を懸命に土方は踏ん張らせた。
「やっ、ぁ、何した総悟…ッ!」
「土方さんがあまりにもナマイキな口きくんで、強さを中にしてみました」
言いながら、総悟は土方の肛門から垂れるコードとスイッチを手際よく内股にテープでくっつけていく。
「俺って優しいなァ。大じゃなくて中止まりにしてあげるんですぜィ」
「おぉおおい!本当に優しいヤツは、ン、こんな事しねェ、は、ぁ」
「はーい、土方。下着とズボンはいちゃってくだせェ。
チャイム鳴って結構経ってますし」
“あ、ちなみに勝手にローター抜いたらお仕置きしやすんで♪”
と鼻歌交じりに土方の下着とズボンを上げてやる。
だが、かなりの屈辱なのか土方は振り向きもせず俯いて黙ったままだ。
「ぁ、…総悟、そういや俺の話はいつ聞くつもりなんだ」
トイレの個室の扉を開けると顔を真っ赤にして肩を震わせる土方が問う。
そんな彼に対して総悟はニッコリ笑んで答えた。
「放課後にたぁっぷり聞かせてもらいまさァ。
土方さんの鳴き声と一緒に」
さ、近藤さんの所へ戻りましょうと上機嫌の総悟と絶望しか残されておらず、快感に翻弄される土方の一日は始まったばっかりだった。
「はーい、お前らいいかー糖という字はなー」
ぶるぶる、ふるえてる。
2時間目は現国の授業。
担当教師の銀八が相変わらずよく分からない漢字の説明をしているのを聞いて気を紛らわせようとしたが、無理だった。
絶えず、土方のイイ所を刺激してくる玩具の存在が余計に誇張される。
「ふ、ぅ…」
声を抑えるのにも必死で、背中を変な汗が伝い、仕方がないから教科書をギュっと掴む事で耐える。隣で総悟が先程からニヤニヤとこちらの盗み見し楽しそうに笑っている事は気づいていたが、あえて知らないフリ。
「はっ、は、ぁ」
周りにバレないようになんとか深呼吸を繰り返す。
モノを弄らなければ射精はしない、と総悟は簡単に言ったものだが、逆に射精感が積もるばかりで絶頂に達せないもどかしさが余計に土方を焦らしてローターのコードとスイッチをテープで貼られた内股が妙に震える。
「えーじゃあ、このページを今から読んでもらうぞー。
その間、戻ってくるのが遅い桂達を先生、探してくるから」
今朝やって来た転入生が早々に失踪し、それを桂に捜索させに行っている間は漢字の説明をするぞーとかほざいていたのに、何故か教科書を読ませようとする。
なんて嫌なタイミングだ。
絶対に自分を当てないで欲しいと土方は願った時だった。
ガンッ
「ひ!?」
音と一緒に臀部に伝わる衝撃に思わず土方は悲鳴を上げる。
なんと総悟がわざと土方の椅子を蹴ったのだ。
今は少しの刺激がモロにローター、前立腺へと伝わる為に自然に声が出てしまい。
「んー?なぁに、多串君、読んでくれんの?」
「ち、違…ッ」
てめぇ、総悟、と睨もうとした時にはもうクラス全員と銀八がこちらに注目していて。
近藤にいたっては
”立候補するなんて、さすがトシ”
と感心するように頷いている。
「じゃ、多串君お願いね。すぐ戻ってくるから。
あ、でもちゃんと立って読まなきゃダメだぞ!」
土方です、先生。と突っ込む余裕も残されていなかった。
今立ち上がったりなどしたら
中のローターが擦れてまた変な声を出してしまうかもしれないのに。
そうこうしている間に、”んじゃ、頼んだよ”と言って
銀八がガラガラと扉を開けて出て行く。
胃がキリキリと締め付けられて倒れそうになるのに、相変わらず体内のローターは容赦なく攻め立ててくる。
「ぅ、くそ…」
「ほら、土方さん。皆待ってますぜィ?
早く立って読みなせェ」
隣からはサドっ気たっぷりなオーラをかもし出してくる総悟が
さも何事もないかのように注意をうながしてくる。
今すぐぶっ飛ばしてやりたい衝動に駆られつつも肩を震わせると、
前に座っていた志村新八が心配そうに後ろを振り向いた。
「土方さん、気分でも悪いんですか?」
優しくかけられる言葉と声に、土方は思わず顔を上げる。
「もしダメそうなら僕が代わりに読みましょうか?
あの人、勝手に土方さん指名して行っちゃったワケですし」
“先生が戻ってくるまでの時間潰しですし、僕が読んでも土方さんが読んでも変わりませんから”と新八が笑う。
そんな彼を見て、いつもはツッコミ専門であまり目立たない眼鏡のクセにこういう時だけイイ顔すんじゃねーや、と総悟は心の中で舌打ちをする。
もし交代したら、後で余計に攻めてやらァ
内心穏やかではない時、声を上擦らせながらも土方が返答した。
「…いや、平気だ。気ィ使わせて…悪ィな」
優しい声色で言い、しかも笑顔すら新八に土方が向けた。
「そうですか?あまり無理はしないでくださいね」
「あ、ああ」
そして、土方が息を整え
(恐らく声は必死に抑えているのだろうが)て立ち上がる。
ギィィと床に椅子の脚が擦れ合う音を聞きながら、教科書の向こう側で総悟は新八を睨んだ。
イラつきでハラワタが煮えくり返りそうだ。
随分とよゆーじゃねぇかィ、土方さん。
俺の性奴隷のくせに、
ご主人様の目の前で誰かに話しかけて微笑むたァ躾がなってないでさァ。
後で本当、お仕置きして分からせてやらねェと…
そんなとんでもない事を総悟が考えている間土方は読むのに必死だった。
脚はふらつくし、思考は朦朧としてどうしようもなかった。
だからと言って不本意でも与えられた事を全う出来ないのは悔しい。
己にも他人にも厳しい、鬼の風紀副委員長の名は伊達ではなかった。
「そ、そしてペドロは…く、ぁ」
だがいくらそんな異名を持っていたとしても、さすがに声を抑えながら教科書を読むのは根気が居る。
少しでも油断をすれば吐息は甘くなり、快感を帯びた音を出してしまう。
むしろこんな静かな教室
(いつもは馬鹿なくらいうるさいクラスだというのに)内。
前立腺を常に突き上げるこの玩具の動く音が実は聞こえているのではないか、と不安にもなって余計に身体が火照る。
だが、銀八に指定されたページは
あと3行くらいで読み終える。
後のページは総悟なり志村新八なり近藤なりに任せれば良い事だ。
ガクガクと震える足をなんとか支え、
あと少しの辛抱だ、と気を緩めて身を少しだけ捩った。
ブゥン
「ひぁう!!?」
本当に、少しだけ身体を動かしただけだった。
だが、その反動で中のローターが移動し、余計に膨らんだ前立腺に減り込んできたのだ。
新たな刺激と抑えきれない快感に、思わず悲鳴を上げて前屈みになる。
「あ…ぁ」
普段は、割と低めのトーンで喋る土方が、突如高い声を…しかも艶めいたものであったせいか、
何事かと再び教室中の視線が集中する。
振り向いた新八がまたもや”大丈夫ですか”
という感じで見上げてくるし、
ふと目があった山崎は顔を赤らめてくるし、あまりの羞恥に死にそうになる程頭の中が真っ白になった。
普段の土方なら『見てんじゃねーぞコラぁ』だとかで、
山崎などにストレスぶつけてやり過ごせるんだろうけど、と口の中でクスリと総悟は笑う。
土方の痴態を見て、先程まで考えていたお仕置きの事なんて吹っ飛んだ。
今は無理ですよねェ?
だって、口開くだけで、喘ぎ声が漏れちゃうくらいなんでしょう?ツライでしょう?
本当はチンコ扱いてアンアン鳴いて抜きたいんでしょう?
可哀想なお人ですぜィ。
でも俺なんかに目をつけられちまうくらい、アンタがドMオーラ出してたのが悪いんでさァ。
「あ、わりぃ…つ、続きを…」
声を震わせ、顔を真っ赤にさせながら教科書をなんとか土方が掴んだ。
そんな彼を尻目に総悟がガタンと立ち上がる。
予想だにしなかった総悟の行動に
土方がビクリと肩を震わせてこちらを見るのが視界に入った。
ふふん、と皮肉を込めた笑みを向けながら彼に近づく。
「もーう、土方さんてば、フラフラじゃねェですかィ」
「は、ァ…ンッ」
土方と総悟は一番後ろの席。
故に背後には誰も居ない事を良い事に総悟は土方を支えるフリをして密着すると秘かに手を尻の方へ回して割れ目の辺りをなぞる。
「そうご、お前、なにして…ゃ、」
「ホラ、後は俺が読みやすから座りなせェ」
小声で抗議しようとする相手など何処吹く風。
やわやわと総悟は尻を撫でながら
教室の生徒達に聞こえるようにワザワザ大きな声で言う。
”あの鬼の副風紀委員長、土方がそんなに体調が悪いのか”と
余計にクラス中の注目が集まる。
「ば、かやろぉ、皆コッチを大注目じゃねェか…」
「えぇ?そんな気にしないでくださいよ、土方さん…」
相変わらず関係のない応答を耳元で囁き、ローターを呑み込む秘部の入り口へ指を滑らせてグルリと円を描いた後にグッとズボンの上から押し上げる。
「く、ぁ!」
トドメのように与えられた刺激に
我を忘れて声をとうとう漏らしてしまう。
何処からか聞こえた生唾をゴクリと飲み込んだ音
(恐らく、予想からして一人ではなく数人)
に意味がないと思いながらも土方は急いで口を抑えた。
「アンタの為なら、教科書読んでやりまさァ…」
これ以上、クラスの野郎共に土方さんの声を聞かせるサービスする必要もねェし、と思いながら今にも爆発しそな土方を追い詰めて
席に座らせようとした時だった。
ガラッと勢い良く教室の扉が開けられる。
銀八が戻ってきたのかと思いきや、朝、遅い自己紹介をしてすぐに失踪した転入生だった。
黒く、カラス色の髪をなびかせながら教室に入ってきた彼は机の横にかけてあった鞄をそのまま掴むと、再び教室から出て行った。
いきなり戻ってきて一瞬で居なくなった転入生にクラスはザワザワと騒ぎ始める。
注目が己から逸れ、まるで助かったかのように溜め息をつきながら土方は椅子に腰を下ろした。
結局、転入生が鞄を持って教室を出て行ったその後にすぐに銀八は戻ってきて、生徒達から散々質問を受けていた。
どうやら転入生は勝手に早退、
朝から体調が悪くて遅刻した桂も結局早退する事になった、らしい。
らしいというのは、ローターに翻弄される土方はこれ以上総悟の思惑にはまらないように耐えていた為に、生徒達の尋問もそれによる銀八の答えも右から左へと耳を抜けて行き…意識もおぼろげで全く記憶に残らなかったからだ。
なんとか地獄の3、4時間目が終わり、やっと昼休み、昼食の時間になる。
いつも通り土方と総悟の座る一番後ろの席へ、弁当を持って近藤がやって来た。
「あーなんか今日は朝から楽しくて随分と腹が減りましたぜィ」
嬉々としながらコンビニで買ったらしきやきそばパンの袋を
総悟は開けながら、はむ、と食いつく。
それを横目で見ながら”俺は全然楽しくねー”と思いつつも
近藤の手前、平然を装って鞄から弁当を取り出す。
「しかし、今日は転入生は早退するわ、桂も体調悪くて早退するわで慌しいなー。
そういや、総悟はなんで今朝は遅刻したんだ?」
「・・・。
ええ、まァちょっと」
近藤の問いに、一拍間を置いて総悟は答える。
そういや、コイツも遅刻したんだっけなどと思いながらどーせ大した事ねーだろ、と片付けて土方はあまり食欲がないものの箸を手に取る。
「もォォ、お前、この時期に遅刻とかしちゃダメだって。
そーいやトシ、お前もなんか体調悪そうだったけど平気か?」
ギクリとして顔を上げる。
そこには心配そうな表情をする近藤の顔があって思わずじんわりとしたものが胸に込み上げ、助けてくれと懇願したくなる。
今すぐ彼に全てをぶちまけてしまいたかった。
近藤の前では猫かぶりな総悟に日々嫌がらせを受けている事、
むしろ彼の正体は――
「近藤さ、」
「ん?どーした?」
挫けた心が、思わず泣きそうな声を出させる。
いつでも明るく笑う彼に縋ってしまいたい。
だが、今は総悟が目の前に居るという事をすっかり土方は忘れていた。
「んぁッ!!」
「え、なに、トシ?」
突然、机の下を利用して
近藤に見えないように総悟が土方の股間を握ったのだ。
今まで我慢していた射精感が一気に高まる。
「はぅ、やっ、め」
「あれェ?どうしやした?
腹でも下しましたかィ?」
突然、喘ぎながら机に突っ伏す勢いで前屈みになる土方にオロオロと近藤は弁当を食べる手を止める。
一方総悟は土方に声を出させた張本人のくせにどうした事かと心配そうな顔をしながら訊いてくる。
そんな総悟に悪態ついてやりたかったが、それよりも快感が土方の腰をくねらせ、息を荒くさせる。
「は、ぁ、くぅ」
「トシ、トシ、平気か?」
「近藤さ、ン」
ぶるぶると震えながら、差し出された手を思わず土方は掴んだ。
だが、だからと言って与えられた刺激のせいで高まった射精感が抑えられる筈もなく。
これ以上総悟に痴態を見せるのも、近藤に心配をかけるのも土方は嫌だった。
「悪ぃ、ちょ、トイレ行って、くる…」
「つ、ついて行こうか…?」
むにむにと股間を握ってくる総悟の手をなんとか払いのけ、勃ち始める箇所がなるべく見えないように
…勿論不自然のないように土方は立ち上がる。
そんな彼を近藤は眉をひそめてそう訊いてきた。
「平気だ、すぐ戻るから」
きっとアイツ、笑ってやがる。
2人の視線を背中に浴びて教室を出るとそんな事を考えて悔しくなり
土方は泣きそうになりながら廊下をかけた。
昼食中だからか幸い廊下には誰もいない。
目指すは男子トイレ。
勿論教室に近い所ではなく、先程総悟にローターを入れられた人気のないトイレだ。
「うう、ふぇ…ッ」
半ば嗚咽にも近くなる声を漏らしながら、なんとかトイレに辿り着いた彼はそのまま個室へ入ると扉を閉める。
そしてそのまま己のズボンとベルトへと手を伸ばした。
カチャカチャ
「ひっ、く、はぁ、、、」
小走りしたせいで、余計にローターが前立腺へと食い込み一度刺激を受けた自身は萎える術を知らない。
朝からずっと留められていた快感が、開放を求めて一気に全身を駆け巡り土方の思考を犯していく。
「はっはあ、ぁン、ちくしょ、ぉ」
ベルトを外し、チャックをおろして前をくつろげ下着の間から自身を取り出す。
そしてきゅ、と皮を剥けばもう先走りの液がトロトロと流れ出る。
それを見ただけでもどかしくなり、下着をおろすと一気に自身を扱き、慰め始めた。
「ふ、ん、んん…あ、ああっ」
学校で何をしているんだ。
頭の隅で何処か冷静にそう思いながらも、出る声も行為も止まらない。
ぐちゅぐちゅという音と共に、熱も高まっていく。
「ぁ、あッ、ぁう」
ガタンと派手な音を立てて扉に背を任せ、便器には上げた右脚を乗っけて夢中になって扱く。
今まで自慰の時は声なんて上げずにしていたのに、総悟に開発されてからは出さずにはいられない身体になってしまった。
「はー、は、ぁ」
イきたい、早く、早く。
教室で自分を心配して待っている近藤と
土方を追い詰める事に夢中な総悟の事を思い出すと、
余計に興奮する自分が居た。
外気にさらされた性器は立ち、
内股にテープでつけられたローターのスイッチが共にブルブルと震える。
絶頂を迎えるのが近いのか、
ガタガタと扉がうるさく鳴ろうが声がトイレに響こうが今の土方には関係なかった。
「ひぁ、も、イ…ッ」
“土方さん、イく時は『イく』って言わなきゃダメですぜィ…?”
『イく』と言いかけて、
いつも総悟に言われている言葉が瞬時に頭によみがえる。
思わず身体が熱くなり、とうとう溜まっていたものを吐き出した。
「あ、ああ、ぁ…!!」
*
「ん、ッ、」
焼きソバパンをむしゃむしゃ食べていた総悟が、突然ピクンと身体を反らせて喘ぐ。
それを見た近藤が、土方のように総悟も腹痛を起こしたのではないかという不安に駆られ、ガタンと立ち上がった。
「総悟ぉおお!!どうした?お前までピーゴロリか!!?」
「あは、違いまさァ、近藤さん。ただ、土方さんが…」
「トシが?」
ほぉ、と甘い溜め息をつきながらレロリと舌を出して唇を舐め、
満足そうに総悟は言った。
「イっちまったなァ…って」
そして机の上で肘を立てて指を組むと、そこへ顎を乗せてふふんと微笑んだ。
彼の言っている意味がよくわからない近藤は着席しながら問う。
「イ…?トイレ行ったんじゃないのか?トシは?」
「ヘイ、あ、でももーすぐ戻ってくると思いますぜィ」
「そーなのか。よく分かるな」
「ええ、繋がってますから。俺と土方さん」
総悟はニコリと、微笑んだ。
そう、繋がってる。
歪んだ絆で。
無理矢理繋いだ、歪な楔で交わした契りで
「う、なんだ。なんだ。総悟とトシだけなのか?」
少し不満そうに近藤が言う。
そんな彼の頭を、慈愛を持って総悟はヨシヨシと頭を撫でた。
「勿論、俺と近藤さんと土方さんも繋がってまさァ」
「ふんだ、俺は騙されないモンね!
そんな撫でられたって騙されないモンね!」
「すねないでくだせィ。あっつ〜ぃ友情でつながれてますって」
「あつい?」
「そう。友情で」
すると満更でもないのか
納得したように近藤はそうかそうか〜と笑い、再び弁当を食べ始めた。
総悟も食事を再開させながら、近藤さんは素直で可愛いなァとシミジミ思う。きっとこういう放って置けない、それでいて分け隔てない態度と優しさ、器の大きさも兼ね備えてるところを土方は…
好きなんだろうな。
と総悟は思う。
勿論、総悟だって近藤の事を気に入っているが土方の近藤を想う”好き”とは違う気がするのだ。
自分と土方は主従関係だからそんな感情は必要ないと思っていても、なんとなくそれを考えるとチクリと何かが痛む。
「土方さんが悪いんだ」
口の中で総悟はそう言った。
性奴隷である彼が、自分の前で志村新八や近藤に色目を使うからいけないのだ。
だから、総悟の中のサディストの血が余計に騒ぐのだ。
「ぁ、はー、ッ、は」
一方、やっと達した土方は息を整え快感に身を任せていた己が現実に帰ってくると急に恥ずかしさが込み上げて、とりあえずトイレットペーパーをガラガラと出す事でなんとか隠した。
「あっ」
精液を放った自身を拭こうと思ったのだが相変わらずローターが攻めてくるから拭こうとするだけで反応してしまう。
どうした事かと悩んだが、スイッチを切ってしまうのが一番の策だと今頃思いつく。
どうせ放課後も総悟は難癖をつけて襲ってくるに違いなく、不幸にも今日は彼と日直当番。
今は切っておいて、放課後になる寸前に隠れてスイッチを入れればバレない筈だ。
「バレたら総悟に何されるか分かんねェけどな…」
そんな独り言を言いながら土方は
内股につけられたローターのスイッチを切る。
すると羽音のような音を出していた玩具は静かになり一気に安堵感が身体に広がった。
本当は体内から抜いてしまいたかったが、それはさすがにバレるだろう。
「っと、そろそろ戻るか」
土方がおろした下着とズボンをはき直し、トイレを流して個室から出ようとした瞬間。
「副長…」
「げ、山崎!?」
なんと扉を開けたそこには
クラスメイトである山崎が立っていたのだ。
あわあわとしながら青ざめ、土方は一歩退く。
いつから居た。こいつ、いつからここにいやがった…!!?
ドクドクと土方の心臓が緊張で早鐘になる。
何故彼がこんな辺鄙な場所のトイレに。
いつから、ここに居たのだ。
声は聴かれていたのだろうか。
自分の自慰をしていた、声を。
口をパクパクさせて必死に思考を廻らせている土方の視線から逃れるように、山崎はフイと目を僅かに逸らした。
ヤバイ、絶対に聞かれてた。
さぁぁと一気に血の気が引いていく。
何も言えずにいると、山崎の方から口を開いてきた。
「そ、そんな困った顔しないでくださいよ、副長ォ…」
いや、困るだろう普通は!!
自分の名誉とかプライドとかに関わる問題だぞコレはぁあああ!!
と心の中で土方は叫びまくる。
普段なら山崎に対して怒鳴ったり殴る蹴るの暴行をしてこれたが、
今のこの状況では文字通り手も足も、
言葉すら出すことは無理で。
「いつから、ここにいた。お前」
震えながら土方は問う。
そんな分かりきった事を訊いてしまう自分にも泣きそうになった。
「副長が、その、トイレに入った直後から、です」
ホラ、あからさまに目を逸らしてる時点で決まってるんだよクソ!
どうする、どうすればいいんだ、土方十四郎!!
「…心配だったんです。
今日、沖田君が来てから調子が悪そうだったから…」
頭をかきむしりたくなる衝動に駆られた頃、山崎が間を繋ぐ。
その言葉にドキリとさせられた。
そんな事に気づいてくれる奴が近藤さん以外にもいたなんて。
「なんか教科書読む時も辛そうだったし…飯食ってる途中で副長が突然教室からいなくなるから、
どうしたのかと思って…」
すみません、と彼は謝った。
「その、ついてきて、しまってました…」
「山崎…」
何故か泣きそうな山崎。
こっちが泣きたい気分だ、と思いつつも相手を慰めるように土方は名前を呼ぶ。
すると、何か意を決したかのように山崎が顔を上げた。
「副長…」
「?
え?山崎?」
突然接近され、両手首を掴まれる。
彼の行動が理解できない土方は
今度は問うように名前を呼ぶと、
その唇に山崎の唇が押し当てられる。
「ふ…?ぅ、ん…ッ!!?」
信じられない出来事に抵抗しようとするが、そのまま個室内に押し込まれて便器の上に座らせられてしまう。
精を放ったばかりの余韻がまだ残っているのか思った通りに力が入らず、キスを止める事が出来ない。
「そんな一人でシなくても、俺が気持ちよくしてあげるのに…」
「ぷは、山崎、テメ、何考えてやがる…!!」