前回、鴨太郎は愛しの土方君の大好物を摂取、
更には間接キスをするまでに至る。
かつてないチャンスに心踊らせた鴨太郎であったが
その代償はあまりにも大きかった。
なにせ、尋常ではないマヨネーズの量。
普段、油脂の部類をあまり食さない彼にとっては
只の地獄からの使者としか思えない代物。
それでも愛する土方君の笑顔の為、
吐き気を催しながらも鴨太郎は完食して…
見せた筈だった。
伊「うぅ…」
土「おい伊東…大丈夫かよ?」
『情けない事に、僕は土方君の大好物を食べてから
とても気分が悪くなってしまった。
土方君にばれないように、こっそり教室を抜け出して
廊下の手洗い場に向かったというのに
心配してくれたのか土方君も抜け出して
僕の背中を擦ってくれる』
土「なんか嫌いなもんでも入ってたのか?
でもお前って、そんなに好き嫌いねぇ筈じゃ…
あ、まさか俺の土方スペシャルが」
伊「ちっ、違う土方君!決してマヨネーズ…じゃなかった
土方SPのせいじゃない!」
『土方君が自責の念でも持ってしまっては困る。
僕はそれを否定する為に、思わずスペシャルをSPだとか
無駄に略してしまった。
しかし僕はそれ程焦っていた。
君を傷つける為に、僕はあのマヨネーズの物体を食べたわけじゃない…!』
土「そ、うなのか?」
伊「そうさ。僕はむしろ好きだよ」
土「えっ」
『嘘をついてしまう事がいけない事だと分かっている。
それでも、土方君が嬉しそうに笑った後
すぐに照れたように頬を紅潮させる、その姿を見れた事とは
何事にも代え難い』
土「そ、か。はは。
実は、俺の土方スペシャル…
好きって言ってくれる奴が今までいなくて。
むしろドン引きで、だからその…」
伊「土方君。
僕は君の好きなもの、受け入れられる自信があるよ」
土「いとう…?」
『キョトンとした土方君の目が僕を見る。
嗚呼神様。
僕は愛しい彼の為に、今までついた事のなかった嘘を
初めてついてしまった事、どうぞ許してください。
何故なら彼は、この腐った世界で見つけた僕の唯一の…』
伊「土方君、僕は…はぐぁ!!」
銀「あっ、ごっめーん。
蛇口捻ろうと思ったら、間違えて伊東君のケツにカンチョーしちゃった〜」
総「ダメじゃないですかィ旦那ァ。
カンチョーで喘がせろ!の対象は土方さんだけですぜィ」
銀「だよな〜めんご〜」
伊「貴様らぁああああああ!!!」
『出たなドSコンビ!!
毎回毎回、図ったかのように登場する最悪なハイエナ軍団!
なんという憎たらしい笑みを浮かべてこちらを見ているんだ!』
伊「何なんだいつもいつも!
何故、絶妙のタイミングで割り込んでくる!?」
土「・・・・?伊東?なんだどうした突然」
総「どうしたんでさァ、伊東君。
あっまさか伊東君も土方さんを喘がせろ!チームに入りたいんですかィ?」
土「はぁ!?ふざっけんな、つうかいい加減それやめろ!」
伊「なんだと!?そんな、そんなふしだらかつ、破廉恥な行為は…
僕も入れてくれるかい、坂田君、沖田君」
『さすがの僕も欲望には勝てなかった』
土「おまっ伊東!?」
銀「いいよー仕方ねぇな」
総「じゃあ伊東君は参謀係でさァ」
土「何の参謀だよ!?
お前らなぁいい加減に」
高「クク、相変わらずうるせぇ輩どもだねェ」
『その時、不穏な空気が廊下に漂い始める。
その声に僕らは聞き覚えがあった。』
銀「はん、誰かと思えばちょうちょ組のたかしゅぎじゃねーか。
逆上がりは出来るようになったのかよ?」
またこ「貴様ぁ、ちんすけさまに喧嘩売る気っスかぁ?」
たけちへんたい「またこさん、ちんすけ様ではなく、しんすけさんです」
総「まぁゾロゾロと廊下で何してんで?
夜のトイレは恐いって連れションかい?揃いも揃ってビビリですねェ」
『そこで、一瞬土方君と坂田がビクついたのが視界に入る』
高「ハッ言ってくれるじゃねぇか。
生憎、俺達は次の肝試しに向かう途中でねぇ。
アンタらみてぇなヘタレ野郎と一緒にしないで欲しいぜ」
伊「ヘタレとはご挨拶だね、ちょうちょ組総督。
先日の土方君への借りを忘れたのかい」
『たかしゅぎがこちらを睨んでくるも、僕も睨み返す。
すると彼は何かを思いついたかのように笑い』
高「ほう?
じゃあ勝負しようじゃねぇか。
この後の肝試しで、俺らとてめぇら、どちらがヘタレかをよォ」
銀土「「えっ」」
総「上等でさァ!俺らが連れション野郎共に負けるかってんだァ」
にぞー「…良い啖呵だねぇ、好きだよそういうの」
伊「では、僕らは土方君、坂田君、沖田君、僕の4人。
君達はたかしゅぎ君、きじまさん、たけちへんたい、にぞー君で良いかい」
たけちへんたい「すみません、変態じゃなくて先輩です」
高「クク、楽しみにしてるぜ」
またこ「お前らの負けて悔しがる顔を見るのが楽しみっス」
『なんだか土方君と坂田が静かなのが気になるが
ドS王子は殺る気満々だ。
こうして僕らの戦いの火蓋は切って落とされたのだ』
万斉せんせい「山崎先生、子ども達がとても肝試しを楽しみにしてるようでござるよ」
山崎せんせい「え、確か坂田君と土方君って怖いもの苦手だったような…」
次回・迫る決戦の時!
数多の試練を潜り抜け、土方さんを喘がせろチームは無事に勝利を手に出来るのか!?
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