僕は貴方を前にすると
たちまち嗜虐心に駆られるのです。
ぴちゃぴちゃ
まだ時間帯は昼間。
すぐ先の大通りでは、
子供達が愉快そうにはしゃぐ声。
そして、よく晴れた日にはそぐわない水音。
「くぁ…う」
そしてビクンと背を反らした途端、漏れる声。
愛しい人の艶めいた響音に
思わず総悟はさも楽しい、というように顔を歪めた。
勿論、それはサディズムに満ちた笑顔であったが。
「ひーじーかーたー。
アンタ、そんなおっきな声出したら
大通り歩いてる奴らにバレやすぜィ?」
「総悟!もういい加減やめやがれ…ンッ!!」
「ははっ。自分の状況を分かって言ってますかィ?
その台詞」
彼は爽やかな笑顔を湛えたまま、
持っていた蜂蜜の容器を下に向けた。
するとトロトロと重力に逆らわずに
黄金色の液体は土方の性器に落ちていく。
「や!やだァ!!」
男にしては色めいた声を出して土方は抵抗する。
だが、それも声だけだ。身体は勝てない。
「ほら、舐めなせィ」
総悟の"よし"という命令を
大きく開かされた土方の脚の間で待機していた犬は――
つまりはよく訓練された警察犬であるが――
嬉しそうに再び蜂蜜のかかった彼の性器を弄りだす。
「あッ、ぁ、あ」
「あッ、ぁ、あ」
またも押し寄せる快感に鳴き始めた。
犬のザラつく舌が妙な刺激になるのか
普段総悟にフェラされるよりはブルブルと小刻みに
身体を震わせる。
「可愛いなァ、土方さん。顔真っ赤でさァ」
「やう、も、こんなのは、ぁっ!」
「あーヤベぇなァ。ハメ撮りしてェ」
「ふざけんな!やめろ…ん、は」
自由にならない両手が、悔しそうに拳を握る。
何故自由にならないかというと両手首を縛られたのを
そのまま路地裏の壁に出ている太い釘に引っ掛けられてしまったのだ。
涙目でキッと睨む土方を、組んだ指の上に顎を置いて
総悟はニン、とハートマークつきで微笑んで返した。
伊達に総悟は真選組最強(もしくは最恐)の名を持っていない。
またも脱走した将軍様の妹君、そよ姫を見つける為に
今度は警察犬を使おうと総悟は言い出したのだ。
勿論、新たなプレイを覚えた総悟が早速実践する為の
口実であったのだが。
そして土方と2人きりのところで路地裏に誘い込み、
上手い事土方をポリバケツの上に座らせて
犯人確保の時に使う縄術を手際良く使い、
手首を縛って釘に引っ掛け…
この警察犬の大好物である蜂蜜を取り出し・・・今に至る。
「あれ?土方さん可笑しいぜィ。
なんか勃ち始めてまさァ」
「な…ア!?」
蜂蜜と犬の唾液だらけの土方の性器が
僅かながらにだが頭を持ち上げている。
信じられない、というようにワナワナと震えながら
土方は首を振る。
「アンタ…犬に舐められて興奮しちまったんですかィ?」
「ち、ちげぇよ!これは、ひゃあ…ッ!!」
余すところなく蜂蜜を舐め取ろうとして、
今度は犬の舌が裏筋を這ってきたのだ。
言葉の途中、耐え切れずに喘ぎを漏らす。
「ぅあ、も、ぅ」
「ねぇ、土方さんの尻の間にも蜂蜜垂らして
アナルも犬に舐めてもらいましょうかィ」
「あ…!」
己の臀部に蜂蜜が垂らされ、舐められる様を想像したのか
土方はギュッと目をつぶって身体を捩る。
「いいなァ…見てぇな。
土方さんのケツとか太腿とか内股に
蜂蜜がトロトロ垂れるトコ…」
「や!!」
必死に性器を舐める犬を跨ぎ、
土方の顔の横に手をついて顔を近づかせて
総悟は囁いてみせた。
「それで、肛門舐められてヨがる土方さんとか
最高じゃねぇですかィ」
「ふざ、けんな!死ね!
最高なもん…か…あぁぁ」
「そんなに美味いか?良かったなぁ、お前」
土方の生意気な口を塞ぐ為に
今度は少量の蜂蜜をかけてやると
犬は必死になって舐めとろうとする。
「あ、も、くっそ、ぉ…ッ」
そんな犬の頭をヨシヨシと撫でる総悟。
余裕がない土方はクラクラする意識の中で
目の前のドS王子に毒づいた。
「はぁ…チンコ、もうすげぇグチャグチャでさァ。
そんなにイイですかィ?獣姦されんの」
「バ…!じゅうかんとか言うな…ああン!」
「はーい、土方が反抗的だからラストスパートイクぜーい」
「は!?ふざけんな、止め…」
反論も空しく、総悟の手が性器に伸びる。
そして今までチロチロとした犬の舌使いで追い詰められていたものが
彼の手によって扱かれ、激しさを増し。
ぐちゅ、ぐちゅん
「や、ッ、あ、あ!!」
「いいからさっさとイきなせェ。」
結局数秒後、
土方は総悟の手と犬の口の中で果てる事になる。
全身で呼吸を繰り返しながら
虚ろな目で総悟を見る。
「そぉご…テメ、獣姦とかどっから覚えてきやがった…!」
「んーと…まァ、正確に言いやすとバター犬、なんでさァ」
「は?」
「だから俺的には全身蜂蜜塗って舐めさせたかったんで…
さすがにこんな路地裏じゃ無理なんでね」
そこまで言うと、総悟はニコリと微笑む。
「でも、土方さんは獣姦のがお好みなようなんで
今度万事屋の旦那にあの巨大犬借りてきましょうや」
「・・・嫌です。絶対に嫌です」
真っ青になって土方は心底本気で嫌そうに首を振る。
だが、そんな彼を見ると総悟は尚更
苛めてやりたくてたまらなくなる。
だって、と総悟は思う。 それをねじ伏せる支配欲こそ自分にとって快感になる。
だって私は、エピキュリアンという名の快楽主義者。
fin.